大国の責務
ABCD包囲網
(アメリカ、イギリス、中国、オランダ)で
日本への石油輸出禁止が決まって、
石油がなくなればソ連の南下を防ぐことができない。
だから、
石油のとれるインドネシアを目指して
まずは、
イギリスを支配しているシンガボールを攻撃、
そうするとハワイにある米軍が背後から攻めてくるから、
あまり知られてないが、
真珠湾攻撃と同じ日にシンガボールを攻撃した。
真珠湾攻撃については、
日本の第一航空艦隊は千島・エトロフ島の
ヒトカップ湾から、
60隻もの大艦隊をつれて、
40日の長期の間に米軍に発見されず
12月8日午前3時に真珠湾に到達した。
神業。
そして、
世界海戦史上最大といわれる大成果を上げた。
そのとき外交官は前日に送別パーティーが行われ
グデングデンたかヘベレケだかで、
本国からの暗号解読とタイプ打ちを怠った。
当日間に合わず宣戦布告が1時間遅れた。
パールハーバーの騙し討ちは攻撃部隊の奇跡的正確さと、
在ワシントン外交官の奇跡的ドジ、
2つのミラクルにより起こった。
国として意図的に行ってはないが
今もあとを引いている。
もう1つ、真珠湾攻撃の謎としては
日本は資源にとぼしいから
石油を地下に隠していたが、
アメリカは石油くらい何さと、
石油タンクは地上にあった。
攻撃隊の飛行士たちはみんな
これを見てきている。
チャーチルも断言している
「太平洋の支配権は日本の手にわたった」
「世界の戦略的バランスは根本的に変わった」
しかし、
慧眼なるチャーチルは「しばらくのあいだ」と
副詞句をつけている。
戦艦の撃滅だけで、
チャーチルはこう言った。
日本が燃料タンクを
再攻撃していたら
「しばらくのあいだ」
ではすまない。
なお、
その裏ではナチスドイツの進撃に
危機感をもっていたルーズベルトが
どうしても戦争をしたかった。
しかし、
彼は主婦層に
「あなたのお子さんを戦争に行かすようなことはしません」
と言って当選している、
なので世論が認めるわけがない。
なので、ABCD包囲網や、
日本への中国とフランス領インドシナから
撤退するようハルノートをつきつけてきて、
わざと日本がアメリカに戦争をしかけるようにした。
おっちょこちょいの日本は
それにのってしまった。
ハルノートのような内政干渉は
無視すればよい。
真珠湾を攻撃しなくても
アメリカは戦争できない状況だったので、
シンガボールだけを攻めておけばよかった。
まさに「日米の悲劇」。
第一次世界大戦までは
イギリスが圧倒的な覇権国家であったけど、
日米戦争の構図は、根本的には
ソ連の南下を日本が恐れたからである。
戦後もソ連は朝鮮戦争で在日米軍が
朝鮮に行ってるあいだ、
北海道、東北に進出し、
朝鮮戦争のように日本を南北に
分けようとした。
吉田茂はそれに危機感を覚え、
そのことをアメリカにも伝えていた。
小室直樹先生 日米の悲劇 参考