ムッソリーニ ファシズム
ムッソリーニは、
愛人とともにイタリア人の
反ファシズム・ゲリラ部隊の手に
とらえられた。
反ファシズム・ゲリラのリーダーたちは、
ムッソリーニの身柄を、
連合国に引きわたそうとした。
なんといっても、
長年、
イタリア国民に親しまれてきた英雄だ。
いくら戦犯といっても、
同じイタリア人の手で
処刑するのはしのびない。
イタリア人は、
情緒の点では、
かなり日本人に近いところがある。
この気持ちはよくわかる。
しかしファシストは、
イタリア人の手で処刑しなければならない。
そうでなければ、
イタリア人はファシズムに反対であったと
証明することができないのである。
銃声二発。
ムッソリーニと
彼の愛人は死んだ。
二人の屍体は逆さ吊りにされた。
イタリア人民はファシズムに
反対であったことを
これで世界へむけて証明した。
出典:小室直樹 大先生『韓国の悲劇』