ヤルタ会談
すでにスターリンは、
ヤルタ会談において
ルーズベルトに対日戦の
了解をとりつけていた。
いや、了解どころの話ではない。
ヤルタにおいてルーズベルトは、
どうか日本を背後から攻めてくれと、
スターリンに泣きついているのだ。
なお、中立条約に言及して、
これがあるから
ソ連は日本を
攻めるわけにはゆきませんと、
対日参戦を躊躇するそぶりをみせた。
本当は、
満州をはじめとする
大日本帝国の遺産が、
喉から手が出るほど
欲しくて
うずうずしているのに
そんなそぶり、
少しも見せぬ演技力、
まさに入神。
ルーズベルトとは、役者が違う。
ルーズベルトに
おがみたおされて
対日参戦にふみきったかたちになった。
こうなると、
ソ連のアメリカに対する
立場はすこぶる強い。
少々の無理は通るのだ。
小室直樹 大先生『韓国の悲劇』